美容室の内装の見るべきポイント

美容室の内装は様々です。一方で、美容室の閉店率は非常に高いです。毎年、多くの美容室が閉店しています。しかし、その一方でテレビや雑誌に取り上げられている人気店も存在します。他にも、派手ではなくてもリピート層がしっかりとしているため、売り上げが安定している美容室もあります。それぞれの美容室によって店舗の戦略は異なっていますが、美容室が閉店するときには、似たような問題点を抱えているケースが多いです。美容師は年を取るにつれ、指名数が減ってしまい稼ぎにくくなる職業です。そのため、美容師は独立される方や、独立に興味のある方が多いです。美容師として成功していても、独立して成功するかは分かりません。美容室を成功させるには美容師としての技術だけでなく、経営者としての知識も必要です。

美容室の内装の前に、美容室の現状について

年々美容業界は多様化し、なかでも美容室は競争率の激しい業界とお伝えましたが、どのような現状なのか簡単に解説します。美容室は、コンビニの4倍にあたる23万店舗が全国に点在していると言われています。大半の人が数年間の見習い時代を経て独立し、自分の店をもつ傾向にあります。市場的に見ても、ブランド力のある大規模企業が少ないのはそのためでしょう。小規模事業者が増え、競争をより激しくしている要因とも言えます。他店との違いをいかに魅力的に表現できるかが、成功の鍵となります。人気エリアでは美容室が密集していたり、郊外では厳しい環境を強いられることもあります。個性を打ち出す内装デザインの重要性は言うまでもありません。

見積もりとフィーリング

やはり「激安」を全面的にアピールする内装業者にはあまり信頼をおかないほうがいいでしょう。集客につなげるための戦略であったりもしますので、慎重に選びましょう。また、実際に格安の金額での施工事例があったとしても、こまかな条件が重なったもので一般的な基準としては捉えないほうが賢明です。似たような条件でも内装業者が提示しているような金額にはならないことが多く、何度も無駄なやりとりをしてしまい、なかなか信頼関係を築けない状態になってしまいます。安いと決めつけていては前進しません。そういう場合は、まったく同一の図面内容で複数の会社に見積りを依頼してみることをオススメします。実際のところ、金額に大きな差は生まれないのが現状です。まずは自店の適正価格を知ることが重要になってきます。加えて、依頼した内装業者や担当者とのフィーリングも忘れず、チェックするようにしましょう。工事が完了したら終わりの関係ではありません。末長く付き合える内装業者に出会えるかは大きなポイントです。

工事期間と予算

工事費の詳細については必ず内装業者に確認しましょう。あまりに安すぎる場合や納得のいく説明がなされない場合には、欠陥工事も疑われます。また、短すぎる工事期間などが提示された時も同様です。内装業者からの一方的な提案や予算の見積りは受け付けないようにしましょう。無理な工事期間や予算は、工事の品質が伴ってないと考えて問題ないでしょう。数年前、大手建材会社で不正なデータの偽装事件があり、社会的に問題となりました。万が一問題が起き工事の遅れが出た場合、発注する側は元請けに責任を追求し、そこからさらに下請け会社へと責任が転嫁していきます。下請け会社は問題を大きくしないように、本来ならば一番に優先すべき工事の質を下げ、難を逃れようとします。このケースも然りですが、依頼先業者が大きい、小さいで判断することはできません。オープンの期日が決定している場合でも、無理のないスケジュール管理を徹底しておきましょう。

十分なスケジュールの確保

速い、安いの言葉ほど魅力的なものはありませんが、そこには沢山の落とし穴があることをお伝えしてきました。計画にはゆとりを持って、取り組むことが一番です。内装業者に対しても、見積り期間は10日程度与えてあげられるようにしておきましょう。物件の調査、図面の読み取り、こちらからの要望をしっかり理解してもらいましょう。あまりに急なスケジュールではリスクが生じ、見積もりの高騰にも直結します。お互いが無理しない環境を作りましょう。

内装業者の特徴

誰にでも得意・不得意の分野があるように、内装業者にもそのような特徴があり、内装工事費用を大きく左右することになります。近年はインターネットなどでも内装業者のイメージを感覚的につかむことが可能になり、自店の雰囲気にあった業者をピックアップすることは容易になりました。しかし実際の工事となると見積り金額にズレが生じたり、内装業者の実情を把握することは簡単ではありません。まずはピックアップした業者に、自店の要望を伝えるとともに、単刀直入に得意分野を尋ねてみるのもいいでしょう。オーダーメイドの什器や家具などが多い場合は木工工場を持っていたり、必要とする専門分野の職人を抱えている業者であればその分費用は抑えられるでしょう。また、不得意分野の工事は必然と工事費が膨らむはずです。そういった観点からも自店に見合った内装業者を選定することができます。

美容室の内装を決める前に大事な立地環境の5大ポイント

店舗の出店に際し、立地環境は重要項目の一つです。商圏調査と言って、そのエリアの市場動向をリサーチすることで出店計画の判断をします。小売業やサービス行いにおいて重要なマーケティング要素です。「駅近」「繁華街」「出店人気エリア」など、キーワードだけで立地環境を決定してしまうのは絶対にやめましょう。自店のコンセプトやイメージに見合いそうなおおまかな候補をあげてから、商圏調査にもとづいて絞り込みをします。結果を踏まえてから最終判断をしましょう。店舗の半径500m圏内において、以下の5つのポイントをチェックしてみてください。

居住人口、世帯数、世帯人数

人口等はそのエリアの自治体で正確な数字がわかります。どのような人が住み、生活しているのかは、実際に目で見て確認します。時間帯によっても変わりますので、じっくり調査が必要となるでしょう。

交通量、歩行者通行量

オフィス街や学生街では、毎日決まった人の流れができていると言えます。休みの日に閑散としたイメージがあります。逆に商店街などは一部の人を除き、毎日不特定多数の人が足を運びます。サービス業向きと言えるでしょう。人の流れが多い、少ないだけではなく、そのエリアの特性を知る必要があります。

誘導施設の有無

誘導施設とは学校や病院、駅やショッピングセンターなど多くの人が利用する施設のことを指します。大きな人の流れを作り出すものですから、現存するものだけではなく、今後の開発予定や都市計画にも注視しましょう。自治体で確認できます。

人の行動目的

そのエリアに何をしに来ているのか、どこへ向かう人が多いのかを確認し、目的を調査します。通勤、通学のためなのか、商業施設を利用しようとしているのかなどもポイントです。

動線

店舗が立つ道はどのような目的で利用されることが多いのでしょうか。通学路や駅に抜ける道、商業施設沿いのほか、街灯や人通りが多く、明るく安全な道などの理由もあるでしょう。色々な視点から見てみましょう。

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美容室の内装:まとめ

内装業者を選定する際は、見積り価格だけでなく、業者とのフィーリングも大事にしましょう。短期間の工事であっても、内装業者との付き合いは工事終了後も続き、長いものになります。信頼関係を築くことは互いに大きな成果となります。コスト削減ばかりにとらわれ、大事なことを見落としてしまわないように注意しましょう。美容室経営は個人事業者が多く、その分多様化するため他店との差別化が難しく競争が激化しています。いかに魅力的なお店を作り上げるかがポイントです。物件選びから、個性を生かした内装デザインまで自らのコンセプトに落とし込んで作り上げていきましょう。お客様の目線も忘れないよう、心がけましょう。