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歯科医院が開業に失敗する理由
歯科医院を開業して失敗する人がたくさんいます。なぜ、歯科医院を開業しても失敗してしまうのでしょうか。ここでは、失敗する理由を説明していきたいと思います。
他の歯科医院との差別化をできていない
厚生労働省の最新の調査(2016年12月31日時点)では、全国の歯科医師の数は10万4533人
です。そのうち、診療所の開設者または、法人の代表者は5万9482人で、全歯科医師の約56.9%を占めます。歯科医院の数はコンビニよりも多いといわれております。歯科医院の数が非常に多いからこそ、他の医院との差別化をはかれていないと、せっかく開業したのに経営が上手くいけない事があります。なぜ、差別化をしないといけないというと、お客さんの取り合いになるからです、先ほど説明したとおり、コンビニより歯科医院の方が多いので、すぐ近くに歯科医院がある、新しくできることもあります。そうなると自分の地区のお客さんを取り合うことになります。今まで100人きていたお客さんが、他の歯科医院がある、できたことで50人に減ってしまったり、最悪0人になってしまうなんてこともあります。お客さんの数が少ないと、収入が減り、赤字経営になってしまい、開業したのにすぐ潰れてしまいます。そこで、大事なのは差別化することが大事です。少し例を用いて説明します。全く同じ能力を持っている整形外科医のAさんとBさんがいます。Aさんの整形外科医は、膝専門整形外科と名乗り、BさんはB整形外科と名乗っています。みなさんが、もし膝が痛くなったらどちらの整形外科に行きたいですか。ほとんどの人がAさんの整形外科だと思います。近くに新しく整形外科ができても、Aさんの整形外科は膝が痛いお客さんは離れていかないでしょう。全く同じ能力の整形外科医でも、差別化をはかることで大きく変わってきます。歯科医院なら、例えば、ターゲット層を子どもに絞り、小児歯科医院にし、お客さんに特別なサービスをするなど、歯科医院の特徴をだすことにより、近くに歯科医院ができてもそのターゲット層は離れていかなくなります。
お客さんに多くの選択肢を与えることができない
一つの疾患に対して、一つの治療方法しか選ぶことができないよりも、様々な選択肢から、メリット、デメリットを理解して選べる方がお客さんにとって良い歯科医院になります。保険適用の一般的な治療をするだけではなく、保険外の治療もできるなども良いでしょう。代表的な例は保険外の診療であるインプラント治療も行えるようにします、保険外の診療である分、お客さんが支払う費用は高額になってしまいますが、それでも治療を受けたいというお客さんはある程度の割合でいます。お客さんがその治療を受けたいというニーズがあるなら、希望した治療やサービズを受けることが可能な準備や用意しておいたほうが、経営が上手くいきやすいです。そして、良い評判を受けやすいでしょう。また、受けられる治療の選択肢が増えれば、それだけ入口が増え、新しいお客さんの獲得にも繋がり、経営がよくなります。
経営者としての視点を身につけていない
今までは、歯科医院の医師としての技術を高めていけば、自分の給料が上がっていきましたが、自分の歯科医院を開業したらそれだけでは上手くいけません。しっかり、経営者としての視点を持つことができないと歯科医院の経営を失敗してしまいます。どうすれば、お客さんに満足してもらえるのか、どうすれば経費を抑えることができるのかなど歯科医院の経営全体を考え、支出を少なくし、収入を多くする能力がとても大事です。この視点がないと経営が必ずといって上手くいきません。経営者の視点を簡単に持つ事は正直、難しいです。経営者の視点を持つためには、今から自分の働いている歯科医院でそういった視点を持ちながら仕事をしてみましょう、そうすると、今までと全く違った点がたくさんみえてくると思います、これが経営者としての視点の一歩になります。
歯科医院の開業が失敗するかどうかは準備期間が決める
「失敗するかどうかは準備期間が決める」ということは、しっかり準備期間に準備することができれば、歯科医院の経営は上手くいき、成功する可能性はとても高くなります。そこで、大まかな歯科医院の開業手順について説明したいと思います。
開業のイメージ、シミュレーション
歯科医院を開業し、成功したいならまず、コンセプトを決定するところから始めましょう。これが、自分の歯科医院の特徴に繋がります。例えば、女性専用の歯科医院にする、子ども専用にする、もしくはお金持ち専用にするなどのコンセプトがあります。これが、しっかり決まると、内装や外装などが決まり、かかる費用なども決まっていきます。
開業計画
自分の歯科医院のイメージやコンセプトがある程度決まったら、具体的な事業計画や資金計画を立てていきましょう。どのような規模で行うのか、いくらかかるのか、いつ開業するのかなど具体的に計画していきましょう。
物件を決める
物件はとにかく通いやすい場所にしたほうがいいです。人通りが多い場所、例えば駅前や駐車場の多い物件など、お客さんが通うのに困らないような物件にしましょう。そういう物件だと継続的にお客さんを獲得しやすいでしょう。目につくところだとそれだけでも、広報に繋がります。
内装工事
物件が決まったら、内装工事業者選びや、内装のデザインを決めていきます。コンセプトに合わせた内装になるとよりよいと思います。
備品購入
内装工事が進んでいる段階で必要な器具や備品を用意しましょう。
スタッフの確保
歯科医院の規模によって変わりますが、歯科医が1人だけの小さい規模の医院もあれば、1日3人~4人程度のスタッフがいれば事足ります。勤務医経験がある方なら、これまでの知人のツテもあたるのもひとつの手段としては考えられます。もしくは、地元住民の方が働けるように、新聞の折り込み広告や、地域の求人雑誌で募集する方法もあります。
また、スタッフ用のマニュアルも作成しておきましょう。
役所への届けと保健所の検査
歯科医院を開業する場合には、保健所へ開業届を提出する必要があります。重要なのが歯科医院を開業してから10日以内に開業届を提出しないといけないということです。その時に必要なものが、歯科医院の敷地と平面図や見取り図、案内図や、歯科医師の免許証の写しや経歴書など様々な書類も添付しないといけないので準備しておきましょう。
この上記の7つがしっかりできていないと経営を失敗してしまうでしょう。
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歯科医院の開業失敗する原因はヒトのトラブル
歯科医院の商品は、歯科医の技術と、スタッフです。そのため、トラブルになる可能性があるのは、歯科医の技術とスタッフです。その中で、簡単に防げることができるトラブルはスタッフが原因のものです。多いトラブルが、スタッフのお客さんの対応が悪いというものです、例えば、挨拶が適当、お客さんの話をしっかり聞かないなどです。本当に小さいことですが、これが原因で歯科医院が潰れてしまう可能性を高めます。今この記事を見てくれている人も、初めて行く飲食店や初めて行く病院などはインターネットで情報を集めますよね。そこで、「スタッフが挨拶しない」「スタッフが話をしっかり聞いてくれない」など、悪い口コミがあったらいかないですよね。これを防ぐためには、スタッフの教育はもちろんですが、スタッフが働きやすい環境を作り、スタッフ自身がこの歯科医院で働いている事を幸せと思ってもらえるようにすることが大事です。そうなると、スタッフが元気になり、そういったトラブルが減ってきます。歯科医の技術を上げるより、こっちの方が簡単にできますよね。
参考記事
https://dot.asahi.com/wa/2018082900030.html
https://giko4.com/%E7%AC%AC1%E7%AB%A0-%E3%80%80%E6%AD%AF%E7%A7%91%E5%8C%BB%E9%99%A2%E3%81%AE%E9%96%8B%E6%A5%AD%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E4%BD%9C%E3%82%8A%E6%96%B9%EF%BD%9C%E6%AD%AF/
https://found-er.com/column/job/5251/