歯科医院の経営状況の現状について知っておくべきポイントとは

現在、コンビニエンスストアは約5万5000店舗だが、歯科医院はそれを上回る6万8791カ所が乱立しており、明らかな過当競争になっている。その上、最近は歯科衛生士の人件費高騰に加えて、患者数の減少も経営に打撃を与えている。「歯科医院の倒産はこれからが本番。小規模を中心に、経営はかなり厳しい状況になっている」と指摘する。 負債ベースで見ると、総額は11億500万円(前年度比36.2%増)で5年ぶりに前年度を上回った。そのうち1億円未満が18件(構成比90.0%)と大半を占めており、小規模倒産が多いことがわかる。

歯科医院の経営状況:10年で1000近く増えたワケ

街中を歩いてみると、歯科医院は明らかに多い。これには、いくつかの理由がある。まず、歯科医師国家試験の合格者は17年で1983名、ピーク時の10年には2408名となっており、毎年約2000名の歯科医が誕生している計算になる。歯科医の多くは定年のない個人事業主とみられています。引退は年齢ではなく体力的な事情によるものが多く、そのため歯科医は年々増えていると思われます。内科医や外科医の場合、必ずしも開業医にならずに大学病院や関連病院で仕事をするケースもあります。しかし、歯科医は大学病院などでの枠が少ないのでしょう。そうすると勤務医という選択肢もありますが、もともと個人事業主が多い歯科医院はあまり勤務医を必要としないのです。そこで、歯科医は必然的に独立開業の道を選び、コンビニの数を超えるほど増えてしまったというわけだ。しかも、歯科医院は比較的容易に開業できるという事情がある。医療機器などはリースで初期投資を抑えることができ、いわば参入障壁が低いのだ。

また、歯科医院専門の経営コンサルタントの存在もある。コンサルから自由診療のインプラントやホワイトニング、美容歯科などのノウハウや宣伝手法のレクチャーを受け、利益率の高い施術を患者に勧めるケースもある。そのため、不透明な歯科医院の料金については不満や不信の声もあった。ただ、最近は歯磨き指導や虫歯を防ぐ予防処置に力を入れる歯科医院も増えており、健全性や透明性をアピールしている。各医院は、生き残りをかけて「虫歯治療よりも予防処置に力を入れています」などと特色を打ち出しているのだ。ちなみに、親が歯科医の場合は、子どもも同様に歯科医を目指すケースが多いという。そして、参入障壁が低いとはいえ、開業時は親からの金銭的援助がないと資金集めに苦労するようだ。

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歯科医院の経営状況:開業の現実

開業した時に上手くいけば良いのですが、上手くいかなかったらどうしますか?そんなこと、考えたことなんて無いかもしれませんよね。しかしながら、誰もが実際に開業すると、恐ろしいほど良くも悪くもリアルな現実を突きつけられます。そう、私たちは、開業医の現実をまず知ることが最初の第一歩なんです。『そうは言っても、開業医の現実なんてよくわからない。』と思うかもしれません。開業したあとにどんなことがありどんな悩みを持つのか想像がつかないかもしれません。

歯科医師ってどれだけ多いの?

歯科医師は多い多いと聞いてると思いますが、実際どのくらいなのでしょうか?現在歯科医師数は約102551人、2030年には13万5000人になると予測されています。歯科医院の数も2010年には7万件、2030年には8万件以上になると予測されています。かなり増えていますよね。歯科医院数が1.2倍近くになります。プラスで深刻な問題が実はあります!それは人口のピークが2010年ぐらいだということです。少子高齢化と言う言葉をよく聞くと思いますが、子供が少なくて高齢者が多い現象のことでこれは人口減を示しています。歯科界は二重苦の状態であると言えます。歯科医院数が、7万 → 8万1000人、これで約15%のダウン。それに人口が減少が加わります。1億3000万人 → 1億1500万、これでも約12%ダウン。両方、掛け合わせて約25%のダウンとなります。

開業した後の年収が気になる

開業した後の年収っていくらぐらいなのでしょうか?リアルな統計をお伝えいたします。歯科白書という、歯科医師会が発行している本からの抜粋です。開業歯科医を5ブロックに分けたときの月収平均です。0~20% —– 15,7万円、20~40% —– 76,3万円、40~60% —– 109,9万円、60~80% —– 153,0万円、80~100% —– 260,9万円。真ん中で109,9万ですが、実際の人数的なボリュームを表す、中央値では103万円です。年収で約1200万円。かなり高年収ですね。しかし場所によってはかなり厳しい現状もあり、地方で歯科医師が過剰な地域などでは開業医の年収500万をきる地域もあります。たとえ年収1200万だからといて安心してはいけない現状が実はあります。

歯科医師の年収1200万が会社員と異なる理由

歯科医師と会社員で何が違うのでしょうか?それは開業資金がかかるということです。開業資金に平均4000~5000万かかっています。会社員の方は0円です。でも私たちは初めに莫大な資金を投資する必要があります。またあなたが家を買ったり車をローンで買うのであれば、クリニックの開業資金を含めて、1億越えの金額の借金をすることになるのは覚悟してください。なんにしても、莫大な借金をした上で成り立っているものであり、当然その4000~5000万のお金をしっかり返済しないといけないのです。年収1200万と言ってもそれほど楽ではないですよね。ご自身で試算してみて下さい。5000万を金利等を考えずに単純に10年で割ると毎年の支払いが500万です。

人口減の影響

それは最初の方でお話した2030年には患者さん数が25%ダウンということなのですが、実際は25%ダウンでとどまらないということです。患者さん数が25%減なので、75%になっているということです。単純計算すると、年収1200万 × 0.75 = 年収900万、実はここはそんな単純に計算できないのです。理由は固定費と変動費があるからです。固定費とは医業収入に関係なく、常に一定でかかる費用です。歯科では、家賃 電気 水道 HPの維持費 などなど、衛生士や助手なども患者さん数が減ったから常勤から非常勤とか人数を減らすなどしなければ固定費です。変動費とは、医業収入に連動して増減する費用です。歯科では、技工料や各種材料費などです。ですので、患者さん数が減って、医業収入が減ったからと言ってすべての経費が減るわけではないので、実際の収入としては25%などではなくもっともっと減ってしまうのです。ちなみに、もちろん退職金もありません。会社員であれば2000~3000万の退職金があったりしますが当然、開業したら一切ありません。

開業成功のスキルを学べば大丈夫

これが開業歯科医の現状です。細かい計算は抜きに大雑把に書いている部分もありますが、認識として若い先生ほど知っておいて欲しいことだと思っております。開業してこんなんじゃなかったと後悔しても、人生のやり直しはできません。だからこそ、周囲の人や一部の意見だけを鵜呑みにするのではなく統計や一般的な予測を基にした正しい認識をすることが本当に大切だと思います。あなたの知り合いの上の先生が「しっかりやれば開業したってぜんぜん大丈夫だよ!」とか「良い場所見つければ大丈夫だよ!」確かにその先生は大丈夫だったかもしれませんがあなたが大丈夫な確証は全くありません。将来、あなたの肩に家族の人生が大きくかかっているかもしれません。ぜひ現実を直視しつつ、でも不安がらずに実力をつけることに注力して若いうちから成長していって欲しいなと思います。先ほどのデータでも分かるように、開業して上手くいってる先生もたくさんいます。あとは、あなたが将来にどのグループに入るかが重要です。卒業後に、毎日、診療後に残って夜遅くまで形成の練習したり、休みの日に何日も時間やお金をかけてセミナーに通っていたり、そんな風に真面目に歯科の知識と技術の研鑽をした先生たちにこそ開業して上手くいって欲しいと思っています。「真面目にやっているけど、開業して上手く為にはどうすれば良いのか分からない。」そんな悩みがもしあれば、日坂会のクリニックを見学に来てみてはどうでしょうか。