歯科医院を開業するために抑えるべき重要ポイント

歯科医院の開業の現実を知る必要性

開業した時に上手くいけば良いのですが、上手くいかなかったらどうしますか?そんなこと、考えたことなんて無いかもしれませんよね。しかしながら、誰もが実際に開業すると、恐ろしいほど良くも悪くもリアルな現実を突きつけられます。そう、私たちは、開業医の現実をまず知ることが最初の第一歩なんです。「そうは言っても、開業医の現実なんてよくわからない。」と思うかもしれません。開業したあとにどんなことがありどんな悩みを持つのか想像がつかないかもしれません。

歯科医院の開業ってどれだけ多い?

歯科医師は多い多いと聞いてると思いますが、実際どのくらいなのでしょうか?現在歯科医師数は約102551人、2030年には13万5000人になると予測されています。歯科医院の数も2010年には7万件、2030年には8万件以上になると予測されています。かなり増えていますよね。歯科医院数が1.2倍近くになります。プラスで深刻な問題が実はあります!それは人口のピークが2010年ぐらいだということです。少子高齢化と言う言葉をよく聞くと思いますが、子供が少なくて高齢者が多い現象のことでこれは人口減を示しています。歯科界は二重苦の状態であると言えます。歯科医院数が、7万 → 8万1000人、これで約15%のダウン。それに人口が減少が加わります。1億3000万人 → 1億1500万、これでも約12%ダウン。両方、掛け合わせて約25%のダウンとなります。2010年の歯科医院は68167件、よくコンビニより多いと言われるがコンビニは42865件。少し多いどころの騒ぎではなく、実際に1.6倍も多いのです。2010年の歯科医院は68167件、よくコンビニより多いと言われるがコンビニは42865件。少し多いどころの騒ぎではなく、実際に1.6倍も多いのです。

歯科医院を開業した後の年収

開業した後の年収っていくらぐらいなのでしょうか?リアルな統計をお伝えいたします。歯科白書という、歯科医師会が発行している本からの抜粋です。開業歯科医を5ブロックに分けたときの月収平均です。(2007年)0~20% —– 15,7万円、20~40% —– 76,3万円、40~60% —– 109,9万円、60~80% —– 153,0万円、80~100% —– 260,9万円。真ん中で109,9万ですが、実際の人数的なボリュームを表す、中央値では103万円です。年収で約1200万円。かなり高年収ですね。しかし場所によってはかなり厳しい現状もあり、地方で歯科医師が過剰な地域などでは開業医の年収500万をきる地域もあります。たとえ年収1200万だからといて安心してはいけない現状が実はあります。

歯科医師の開業の収入1200万は、会社員と異なる

歯科医師と会社員で何が違うのでしょうか?それは開業資金がかかるということです。開業資金に平均4000~5000万かかっています。会社員の方は0円です。でも私たちは初めに莫大な資金を投資する必要があります。またあなたが家を買ったり車をローンで買うのであれば、クリニックの開業資金を含めて、1億越えの金額の借金をすることになるのは覚悟してください。なんにしても、莫大な借金をした上で成り立っているものであり、当然その4000~5000万のお金をしっかり返済しないといけないのです。年収1200万と言ってもそれほど楽ではないですよね。ご自身で試算してみて下さい。5000万を金利等を考えずに単純に10年で割ると毎年の支払いが500万です。

歯科医院を開業する前に知っておきたい人口減の影響

それは最初の方でお話した2030年には患者さん数が25%ダウンということなのですが、実際は25%ダウンでとどまらないということです。患者さん数が25%減なので、75%になっているということです。単純計算すると、年収1200万 × 0.75 = 年収900万、実はここはそんな単純に計算できないのです。理由は固定費と変動費があるからです。固定費とは医業収入に関係なく、常に一定でかかる費用です。歯科では、家賃 電気 水道 HPの維持費 などなど、衛生士や助手なども患者さん数が減ったから常勤から非常勤とか人数を減らすなどしなければ固定費です。変動費とは、医業収入に連動して増減する費用です。歯科では、技工料や各種材料費などです。ですので、患者さん数が減って、医業収入が減ったからと言ってすべての経費が減るわけではないので、実際の収入としては25%などではなくもっともっと減ってしまうのです。ちなみに、もちろん退職金もありません。会社員であれば2000~3000万の退職金があったりしますが当然、開業したら一切ありません。

歯科医院の開業の成功スキルを学べば大丈夫

これが開業歯科医の現状です。細かい計算は抜きに大雑把に書いている部分もありますが、認識として若い先生ほど知っておいて欲しいことだと思っております。開業してこんなんじゃなかったと後悔しても、人生のやり直しはできません。だからこそ、周囲の人や一部の意見だけを鵜呑みにするのではなく統計や一般的な予測を基にした正しい認識をすることが本当に大切だと思います。あなたの知り合いの上の先生が「しっかりやれば開業したってぜんぜん大丈夫だよ!」とか「良い場所見つければ大丈夫だよ!」確かにその先生は大丈夫だったかもしれませんがあなたが大丈夫な確証は全くありません。将来、あなたの肩に家族の人生が大きくかかっているかもしれません。ぜひ現実を直視しつつ、でも不安がらずに実力をつけることに注力して若いうちから成長していって欲しいなと思います。先ほどのデータでも分かるように、開業して上手くいってる先生もたくさんいます。あとは、あなたが将来にどのグループに入るかが重要です。卒業後に、毎日、診療後に残って夜遅くまで形成の練習したり、休みの日に何日も時間やお金をかけてセミナーに通っていたり、そんな風に真面目に歯科の知識と技術の研鑽をした先生たちにこそ開業して上手くいって欲しいと思っています。「真面目にやっているけど、開業して上手く為にはどうすれば良いのか分からない。」そんな悩みがもしあれば、日坂会のクリニックを見学に来てみてはどうでしょうか。

関連記事

【必見】歯科医院が集患するための最もシンプルなステップとは

歯科医院向けの実力のある有名な経営コンサルタントのまとめ

歯科医院を開業のまとめ

東京では年間300件、約3%が廃業、新規開業で見ると約3割が3年以内に廃業していると言われています。歯科医の年収分布では、40代後半以降でないと開業できる程の返済力がないのも現状です。開業医の平均年収は1200万円といわれていますが、事業所得として申告した歯科医約5万人のうち、1200万円以上の年収があった歯科医は28%程度で、72%は平均年収を下回っていたというデータがあります(※高額所得ランキングソフト「高額所得ランキング2013」(発売元(株)タックスデータバンク)より引用した2011年時の参考数値)。年収的に余裕のある開業医を夢見たとしても、実際には40代後半という年齢から、11万人いる歯科医の中で上位30%に食い込めた者のみとなります。ここまで歯科業界を取り巻く状況について見てきました。体力のある法人は巨大な市場を求め都市部へ集中し周辺都市も商圏に。空洞化した地方であっても目の肥えた患者は良い医院を求めて他府県へ。患者数ゼロからの開業を成功させるために乗り越えるべき課題が様々あったと思います。患者様に責任ある歯科治療を提供するために、あなた単体、競合がひしめく市場に対して、どうアプローチしていきたいですか。市場があなたを差別化して評価してくれるために何が必要なのでしょうか。悩みを抱える患者にとって歯科医としてのあなたの本来の価値は尊いものであるはずです。経営者になり患者獲得に奔走するか、1人のドクターとして治療に汗を流すか。あなたの歯科医師としてのQOL(クオリティオブライフ)にとって非常に重要な選択となります。