経営する上で発程する経費は、「固定費」と「変動費」に大別されます。この2つの合計を売上から差し引いた分が利益というわけです。利益が思うように出ないとすれば、売上か経費のどちらか、もしくは両方に問題があると考えなければいけません。売上を伸ばすのは容易なことではありません。しかし、経費は無駄をなくせば抑えることができ、その分利益を増やしことができます。サービスの質を落とすことなく利益をあげるためのコストコントロールを経営する上でしていかないといけません。利益を上げるには、「売上を伸ばして経費を抑える」が基本となります。しかし、売上は景気の好不況や天候、さらには競合店の出現などによって左右されるため、完璧に管理するのは困難です。それに対し、経費は不要なものは減らし、必要なものを増やすというように自分でコントロールすることができます。節約の意識を日頃から持つことにより費用をコントロールすることが求められます。
目次
美容室の経費①固定費
まずは、毎月固定費をまとめていきましょう。売上の変動に関わらず発生する費用のことです。固定費には、家賃・ネット代・ツール代・広告費(エキテン、ホットペッパーなど)などがあります。こんな感じです。
家賃
家賃は坪単価1万円が相場と言われています。これは、あくまで目安なのですが平均がこの単価ほどです。駅からの距離によって相場の変動はもちろんあります。なので、経費としては一番大きくなりやすいものですが、あまり経費を抑えるとテナントの条件が悪くなりますので、ある程度の割り切りがいる経費です。
ネット代
美容室に関わらず経営する上でインフラは当たり前です。ネットがないと話になりません。ネットといえば光回線かADSLがあります。契約には約4000〜6000円ぐらいとなります。電話も同じ回線にした場合は電話代込みでそれぐらいの料金となるはずです。あと回線が安定します。
ツール代
これはわかりやすくするとネット予約のシステム代になります。例えば、「カミングスーン」というシステムがあり、サロン業界で唯一、特許で認められたネット予約システム・売上管理POSシステムなどがあります。予約はスムーズにいつでもしておかないと来店率が低下します。消費者の不安要素にもなりますので来店を拒む理由となります。
広告費
テレビをつければCMが流れ、新聞を開けば記事下に広告が載り、ウェブサイトを見ればネット広告があります。私たちは広告に囲まれて生活していると言っても過言ではありません。日常的に広告と接しています。ビジネスをする上では常識のように行われています。広告については、MBAにおけるマーケティング用語として「広告戦略」が定義せれています。これは企業が提供する商品・サービスについて。消費者は何かしらの形で企業やブランドを認知し、信頼感があるからこそ購入するという考え方なのです。広告サイトのエキテンとホットペッパーについてですが、エキテンは、価格が安い方ではあります。集客数もそこまで悪くないです。約5000円〜ぐらいからなので継続はしていきやすいと思います。ホットペッパーの方ですが美容室の広告といえばという部分はあります。色々なプランがありますが、価格はやはり高額なものとなります。プランが高ければ集客数が高くなる訳でもありません。しかし、広告費で経費圧迫するのは潰れる道の第一歩です。
美容室の経費②変動固定費
売上の変動に合わせて金額が変わってくる費用のことでです。例えば、仕入れ・水道、電気、ガス、通信費・機材リース料・人件費などがあります。毎月変動する経費ですね。
仕入れ
消耗品は安く調達できない、シャンプー・トリートメント・カラーリングの薬剤、施術中にお出しするお茶、読んでもらう雑誌。この辺の消耗品の支出も見過ごせません。結構金額に変動はありますが、平均6万円ぐらいだと思います。シャンプーとかの店売商品が売れると高くなります。原材料費を削減することを考えます。ネットで仕入れたりできます。そのほうが業者から仕入れるのが安いです。安いからという理由で質をあからさまに落とすのも考えものです。しかし同じクオリティのものなら一円でも安く調達できる業者があるなら切り替えを検討してみるのも1つの選択肢でしょう。切り替えを検討するときは、見積もりを忘れてはいけません。何日ほどで使い切れるか、余った分はほかに回すことが可能かなどを考慮して発注する必要があります。コストコントロールは決して簡単な業務ではありません。コストコントロールの重要性がわかれば利益の自ずと見えてきます。
水道、電気、ガス、通信費
美容室は水も電気も使います。場合によっては、ガスを使うこともあるでしょう。ですが、電気は冷房かける季節は少し変動はありますがそれでも家庭クラスです。店舗が大きくなってもそれほど増えないです。だけど、節約できるポイントはないか?という視点は常に持ち続けましょう。例えば、電気料金。使い方にあった電気料金プランを選ぶことで、節約につながり可能性があります。電気料金プラン比較サービスを見比べる必要がいります。
機材リース料が高い
美容室の備品を最初から全部揃えるのはなかなか大変です。リースを利用している人も多いのではないでしょうか。毎月のリース代だって、経営上は見過ごせない出費です。同じスペックのものを安く借りられないか?という視点で、定期的に見直しをはかることを必要にしましょう。
美容室の経費③その他
交通費・セミナー代・保険料・税金などがあります。
交通費
これはセミナーなどに参加した時にかかるものです。頻繁にセミナーなどに行く人は経費として気をつけないといけません。近場であれば大した金額にはなりませんが遠い場所だと交通費はかかります。
セミナー代
これは行かなければ費用はかかることはありませがやはり学びは重要です。美容関係のセミナーは数千円〜1万円、コースによっては結構大きく費用がかかります。なので経費を考え行わないといけません。
保険料
火災保険とか店にかける保険は当たり前ですね。そのほかに、盗難、浸水、お客様ともめた時に使える保険に入った方がいいです。
税金
これは事業所税、消費税、償却資産税などでお店にかかる税金です。
人件費
月給の社員や多い会社では固定費に分類される項目ですが、時給制で、シフトによって変わるアルバイトの賃金は変動費とするのが一般です。人件費を調整するというのは、スタッフの人数を減らすことではありません。スタッフが減ってしまってはサービスが行き届かなくなって売上増加どころではなくなりますから、人数を減らすのではなく、働く時間で調整することがポイントです。シフトを組む際に日々の売上を過去の売上を基に想定し、アルバイトの勤務時間はどれくらいが適切かを割り出します。適切な割り出しができれば、たとえば今まで6時間勤務だったアルバイトの勤務時間を1時間減らしても問題はないかもしれません。1時間勤務時間が減れば、1時間分の時給を減らすことも可能で、本当に必要な時間だけ働いてもらえるようになります。これは、スタッフにコスト意識を持たせるという点でも有意義な方法です。
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美容室の経費のまとめ
お金に関しては大事にいないといけないという視点があります。「この支出は、うちの美容室にとって意味のある支出か?」という視点です。備品を買う、新しい製品を扱う、美容室を経営する上で、様々な支出があります。そのときに、支出そのものに意味があるか、一度立ち止まって考えて欲しいのです。高額な支出であっても確実に美容室の質の向上に役立つなら、思い切って払うことも大事です。曖昧な理由で支出をしないようにしましょう。
お店を繁栄させるには、売上管理だけでなく経費の管理も毎日行うことが大切です。月末になって原価率が上昇していると分かっても、対処のしようがありません。売上に対して原価率がどの程度を占めているかを把握し、仕入を減らすなどの手を打つことがコストコントロールなのですから、毎日原価率を把握しておくことが必要です。経営者にとって、コストコントロールは最も重要な業務とされていますが、毎日のこととなるとかなりハードな作業となります。忙しくて十分な時間がないという場合は、POSレジを活用してみることをおすすめします。売上管理、在庫管理、棚卸機能などがついた飲食店向けのPOSレジは、初めての人にも使いやすいものとなるでしょう。また、そういったPOSレジの中にはリースかレンタルで利用できるシステムもあります。固定費、変動費をしっかり理解し、上手にコストコントロールをすることで、利益を増やしていきましょう。