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美容師として独立して成功するために
今や、コンビニよりも店舗数が多いと言われている美容室。その営業形態も多岐にわたり、ネイルサロンやマツエクサロンを併設した複合型美容室も勢いよくその数を伸ばしています。20年ほど前から「カリスマ美容師」なる存在も現れ、その財力に独立を目指す美容師が増加しています。
しかし、一定レベル以上の稼ぎを得られるオーナー美容師は一握り。なんとかオープンにこぎつけたものの半年で閉店という店舗も多いのが現状なのです。年間に10000店が潰れているとも言われているため、成功するのは至難の技。
それでも成功者もいるのが事実。カット料金が10000円を越えようとも、半年先の予約までいっぱいという猛者もいるのです。この成功する美容師とそうでない美容師の差は何なのでしょうか。美容師として成功するにはどうしたら良いのでしょう。ここではそのノウハウをお伝えしていきます。
美容師として成功するためにはプライドを捨てる
有名美容室でそこそこの売り上げをあげていた美容師が独立するときこそ失敗が起こります。それは何故か。答えは天狗になっているからです。
これはどういうことか。有名美容室ではその看板、いわゆるブランドに助けられて成功しており、その店だから集客もカット料金も成り立っていたのです。
例えば革のカバンに置き換えて話をしましょう。ありふれた革のカバンもブランドの名前がつけば高く売れますし、販売員も努力せずとも客が勝手に買っていきます。しかし同じ素材で作ったカバンもブランドの名前がつかなければ同じ価格では売れませんし、販売員もその魅力を努力して売り出さなければ売り上げをあげられません。
美容師も同じです。有名店にいたなら尚更、自分がそこの店のブランド力で成り立っていたということを自覚し、カットの料金然り集客への努力を怠ってはいけません。過去の自分の栄光や名声を捨てる、すなわちプライドをいかに捨てられるかが重要なのです。
スタッフの育成に力をいれる
これは美容業界に限ったことではないのですが、オーナー1人がどんなに頑張っても同じ看板を背負ったスタッフの価値観が違えば失敗します。自分の分身を作るような気持ちで、自分がどんな経営をしていきたいのかを明確に示し、それを体現してもらわなければなりません。そのためには理念を文字で明確にし、目標も数字で示して行く必要があります。技術面も定期的なチェック日を設け、フィードバックする機会をしっかり設けていきましょう。
経営の知識をつける
ここができていないために、失敗することが多い項目と言えるでしょう。美容師としてそこそこ成功していた人も、経営者としてはずぶの素人です。始める前は技術1つあれば成功すると思った人が、いざ始めると思ったように行かなくなるのは経営の知識がないことが大きな原因です。
技術で勝負するためには集客をしなければなりません。いわゆる業界ライフサイクルを意識して、導入→成長→成熟→展開→安定のどの時期にいるかを見極める必要があります。安定してもいないのに、集客を怠り「○○がウリです」とコンセプトばかり全面に出すと一気に破綻します。経営に関しては素人であることを自覚し、セミナーに参加するなどの努力が必要です。
美容師として独立し、成功するオーナーの特徴
美容師として成功している人は一体どんな風に成功しているのでしょうか。前述の通り、有名店出身だとか技術が高いだけでは成功しません。
ここでは、美容師として成功している人の特徴を見ていきましょう。
美容師としての仕事が好き
これはどの仕事でも、特に技術が武器の仕事をしている人には大事な要素と言えるでしょう。
かの有名なアップルのCEOだったスティーブ・ジョブズも「この仕事を愛していたからこそ、会社を追い出されてもまた戻って来ることができた」と言っています。苦しい状況にあっても、「こうすればお客様に喜んでもらえるだろう」「今お客様が望んでいることは何か」「次のトレンドは何か」「身に着けるべき技術は何かい」あげたらキリがないほどの探究心や向上心も美容師という仕事が好きだからこそ。成功している美容師は、立場が上がろうともお客様の生の声を聞き、それを経営に生かしています。驚くべきはそれを義務としてでなく、当然のこととしてやっているのです。
税金などファイナンス面に詳しい
個人単位でさえ、税金の知識がないと損をします。それが店舗経営の規模であれば、影響は個人レベルのものとは比べ物になりません。
税金対策は税理士を使う人もいますが、それだけで月に5万ほど取られるケースも少なくありません。知識があれば自分で計算して処理することができます。ここを節約できるだけでなく、例えば100万の売り上げに対して20万が経費だったとすると税金がかかるのは80万の部分だけだから、、、というような知識が出てくれば開業時も経営を始めてからも失敗が少なくなります。
成功している美容師はこれらのお金の問題をきちんと自分の頭で理解し、解決しています。
お客さんを第一に考えている
今やどの分野でも言われるホスピタリティ。通訳の仕事すら、今は喋れるだけでは成り立たず、おもてなしの心がないと資格試験にも受からない時代です。
美容師をはじめとした客商売なら尚更のことです。成功している美容師はここの志が非常に高いです。アンケートなどを活用しお客様の声を聞き、改善のための対策をすぐ講じ、その結果をすぐにお客様に確認します。また、喜ばれるための新しい知識をつけるため自ら勉強会に趣き仕入れています。自分の信念を守りつつ、常に向上心を持って経営を行なっているのです。この姿勢がお客様に伝わることで、いわゆるロイヤルティが上がり固定客の増加を促しているのです。
美容師の独立は成功できるのか
美容師として独立すると、1店舗スタッフだった頃と比べて儲かるのでしょうか。その答えは、「儲からない人の方が圧倒的に多い」が正解です。
確かに儲かって年収何千万のカリスマ美容師もいます。しかし現実は新規オープンの美容室の9割以上が3年以内に閉店してしまうという事実があります。気になる年収ですが、独立した美容師で年収400万を超える人はわずか1割で8割の人はそれを下回るということです。一般美容師の平均年収が300万ほどですから、それに比べたら上がると考えれます。ただ、経営に関する全ての手間を考慮するとその労力に見合ってイルカは疑問です。その手間がかかっても今より上がるなら…と考えるかどうかですね。
美容師が独立する理由
この現状でも独立する美容師が多いのはなぜでしょう。
美容師は技術で成り立つ職業ですから、言ってしまえば大工などの職人と同じです。低賃金の見習いから始まり、働きながら技術を磨く。一人前になるためには上司に技術を認められなければ習いため、年を重ねるだけでは給料は上がりません。
一人前になったとしても、これも年齢が上がれば自動的に給料が上がる訳でもありません。また、上位の役職には人数に限りがあるため、ある一定の給料から上がらないというのが事実。役職も新しく入った若手とそう変わらないため、店舗からのトップダウンで働く毎日にやりがいを感じられなくなっていくこともしばしば。
家庭を持強うになると、家族を養うために人生について考え直すようになります。
こうして、会社のルールからの解放と年収をあげるために独立を考える美容師が生まれるのです。
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美容師として独立して成功するためのまとめ
「カリスマ美容師」という言葉が流行してからというもの、独立を目指す美容師が増えると同時に閉店へと追い込まれる美容室が多いのも事実です。
何を求めて独立をするかは人それぞれですが、いずれにしても技術1つで成功するほど簡単なことではありません。独立して成功しようと思う美容師さんは、事前にセミナーを受けて経営の基本を学び、税金含めたお金についての知識を得ることが必要不可欠です。
何より美容師という職業に誇りをもち、お客様のために喜んでもらうためにはどうすれば良いかという職業に対しての”愛職心”が一番大事でしょう。