美容室の個人経営のメリット・デメリットとは

美容室の個人経営のメリット・デメリット

どんなことでも、必ずメリット、デメリットがあります。きちんと、その両方を理解してから選択することがとても大事です。美容室の個人経営をするか、しないか、その選択をするときもメリット、デメリットをしっかり理解することが大事です。まず、美容室の個人経営のメリット、デメリットについて考えてみましょう。

メリット

●自分のやりたいようにできる
個人経営の一番の魅力はこれでしょう。店内のレイアウト・インテリアも営業時間も全て自分が決めることが出来ます。やはり、チェーン店などに勤務していると、「こうしたい」と思って、上司にいっても却下されたり、許可が出るまで何日もかかったりすることか個人経営ならありません。自分か「こうしたら良い」「こうしたい」と思ったらすぐに行動に移せます。これが一番のメリットでしょう。また、嫌いな同僚や上司と一緒に仕事をする必要もありません。今の職場で人間関係にストレスを感じている人にとっても大きな魅力でしょう。

デメリット

●リスクを自分が背負う
例えば、資金がなくなってしまったり、急にスタッフが仕事に来られなくなってしまったり、自分がどこかから資金を調達しないといけなかったりすると、スタッフの変わりに働いたりすることをしないといけません。個人経営をするという事は、美容室で起こる問題を自分が責任をもって対処しないといけないということです。つまり、今までは、美容師としての腕があれば稼げていたのが、美容師の腕以外に経営の知識、技術が必要になってきます。簡単にいうなら、選手と監督です。「名選手、名監督ならず」とよくいわれますが、本当にその通りです。今までは、美容師としての技術が全てですが、個人経営ならどうやって広報するのか、どんな物を選んで、どんなに費用がかかるか、そこから利益を得るための料金設定なども全て自分で考えないといけません。今までは、お客さんの事を考えて、カットなどもすればよかったのに、個人経営をするとなると経営者としての仕事がとてつもなく増えます。経理など頭を使わないといけない事が増え、苦痛に感じる人もいるでしょう。
簡単にですが、美容師の個人経営のメリット、デメリットを理解して頂けたでしょうか。きちんと、メリット、デメリットを理解した上で、まだ自分の美容室をつくりたいと思っているなら、このまま続けて読んでください。

美容室の個人経営には、どのくらいお金がかかるの

美容室を個人経営するなら、ある程度どのくらいお金がかかるか知っておかないといけません。そこをきちんと理解していないと、利益を出すための料金設定などが上手く出来ず、赤字経営になってしまいます。ここが上手くできないと、せっかく個人経営をスタートしたのに、赤字ですぐに倒産なんてことも十分あり得ます。
どのくらいお金がかかるか知らないと大変と分かったところで、まず費用の内訳を見ていきましょう。
・人件費
・カラーリング剤などの材料費
・広告宣伝費
・家賃
・借金返済額
1人で美容室を行う際は、人件費を大幅に抑えることができます。人件費の割合は大体45%程度の割合になっているので、これが自分の給料になります。人件費の負担が大きく減ることが個人経営のメリットともいえますね。


〇内装費・家賃が安くなる。
美容室を個人で経営するのなら、チェーン店みたいな広さのお店は必要ではないですよね。美容師が自分しかいないのにも関わらず、シャンプー台が5つある美容室を作ってしまうと、いらないお金がかかってしまいますよね。個人で美容室を行うなら、8~12坪ほどで、シャンプー台も2つあれば十分でしょう。一般的な美容室では、家賃が大体10%ほどですが、個人で経営するならこれよりも低くなります。1坪大体1万円と言われているので、8万~12万円程度ということですね。この金額が毎月支出します。


〇その他は?
水道光熱費ももちろんかかります。内訳は、ガスの料金が大体9000円、通信費が大体9000円、水道代が2ヵ月で9000円程度と言われています。1か月で大体2万2500円は最低でもかかります。
また、カラーリング剤などの材料代は売上の10%以内、借金が毎月10万円返済(個人差あり)となります。

〇税金
個人で美容室を経営するとなると、所得税や、個人事業税、住民税を納めないといけません。個人事業税は、売上が上がるにつれて税率が上がっていきます。

美容室の個人経営の場合の美容師のお金

初期費用は150万円です。内訳としては、敷金礼金70万円、シャンプー台と設置費用15万円、セット面や道具・材料等15万円、3か月の活動費30万円、予備20万円です。
家賃10万円、光熱費・材料費5万円、そして自分のお給料15万円程度、つまり毎月最低でも30万円の売上を出すことが必要です。1カット5000円だとして、60人のお客さんも毎月カットすれば、30万円の売上を出すことができますね。

美容室の個人経営の悩み

〇相談相手がいない・孤独
個人で美容室を経営しないといけないので、とても孤独です。どうやったら利益がでるのかなどの経営戦略や資金の調達など全てを1人でやる必要があります。経営に正解がないので、全ての決断が主観的なものになります。自分がその時「これが正しい」と思って行った決断を後から振り返ってみると、間違ってたなんてことはよくあります。
また、1人でやっていると、張り合いがないので、意外と実力がつかないなんて事もあります。そのため。猛烈に勉強して、経営者としての実力を高めていかないといけません。最初は頑張ろうと思っても、だんだん「めんどくさい」とか「だるい」と思う弱い自分が出てきます。そんな自分と毎日戦わないといけません。

〇不安が押し寄せてくる
個人経営の美容師はメンタルが強くないとやっていけません。誰もお客さんがこない日が続くと不安でしょうがなくなります。もちろん、お客さんがこないと収入がないので、借金を返すこともできませんし、ご飯も食べることもできません。「このまま永遠にお客さんがこなかったら・・・」と考えることがたくさんあります。そういった不安の気持ちが絶えずに襲ってきます。例えば、自分の美容室の近くに新しい美容室がオープンしたとなれば、お客さんの奪い合いになるので死活問題です。このような不安と毎日戦っていくメンタルの強さが必要です。

美容室の個人経営はやめた方が賢明

美容室を個人経営するのは、「自分のしたいように出来る」という大きなメリットがあります。嫌いな上司もいなければ、自分のしたい内装・インテリアなど全て自分の好きなようにできます。今の職場で人間関係などでストレスを感じている人ならとても魅力を感じますよね。
ただ、リスクは自分が全て背負わないといけません。来るお客さんがいないと収入は0です。初期費用などにかかったお金や借金なども返済することも出来ません。やることは、美容室で働いてた時よりも圧倒的に増えますし、日々不安との戦いです。毎年美容室は10000店開業すると言われているので、いつ隣に競合店ができてもおかしくありません。どんどん業績を上げていって順調だったとしても、隣に新しい美容室ができたら、お客さんが激減するなんてことも全然あり得ます。また、今だと自宅で髪を染めることができたり、自分で髪を切ったりする人もいたりと、美容室に金をかける人も減ってきています。
どうしても、個人で美容室を経営したいとなるとなにか突出した武器がないと難しいでしょう。その強みの獲得には、美容師の技術だけでなく、経営的な観点からの強みも必要になるので、相当な努力が必要でしょう。これができないかぎり、美容室の個人経営は難しいのではないでしょうか。

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美容室の個人経営のまとめ

ここまで、美容師の個人経営についてメリットやデメリットなどを解説してきました。やはり、個人で経営するのはとても大変です。中には、お酒や異性に溺れてしまう人もいるかもしれません。ただ、個人で経営するといいこともあります。美容室の個人経営が上手くいくようにストイックに努力を積んでいけば、成功する可能性も高いと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。